2018.02.22 交流会(第15回)開催しました。
「性・ジェンダー・セクシュアリティを対話する交流会(第15回)」を開催しました。
今回は「性役割(ジェンダー・ロール)」を主なテーマとしながら、ジェンダー表現や家族のことなどについても色々な感じ方や意見が出るなかで、ほっこりとした、温かく楽しい雰囲気のなかで対話を行いました。
参加者の方のご了承を頂いたうえで、お話した内容の一部を掲載させて頂きます。(今回、さまざまなセクシュアリティの方がご参加くださいました。)
【性役割(ジェンダー・ロール)について】
・「女子だから〇〇」「男子だから〇〇」という会話は、もともとあまり好きではない。
・たとえばティッシュやハンカチを携帯しているとすぐさま「女子力高いね」と言われることや、料理や裁縫をすることに対して「女性が得意なこと」として評価をされることには、とても強い違和感があった。
・特に料理をすることについては、なぜか「女性」として認識されたうえで褒められることには、ぞわっと鳥肌の立つ感覚や、恐怖といらだちも感じていた。料理は、女子力というよりは生活力。
・学校で力仕事などをするときに、「男子おいで~」と呼ばれているのを見て、自分もできるのになぁ、と少ししょんぼりしたことがある。
・家でお母さんが家事を100%行い、お父さんは座っているといった様子を見ていたが、お母さんもそれが不服なわけではなく、もしかしたら、家事は「女性の役割」だと思っているので、男性にさせてしまうことがはずかしいことのように思っているのかもしれない。 自分は、その光景を「なぜだろう?」と不思議に感じていた。
・性同一性障害(FTM)の診断がおりてから、生きて存在していると感じられる。とても嬉しい。 小さい頃から社会人になっても、「女の子(女性)だからこうしなさい」「女の子(女性)なんだからこうしてはいけない」と言われることも多かったが、ようやく素の自分のまま、自然体で生きていいんだと思えた時、戸籍の性別を意識することがなくなり、もともと好きだった料理も、もっと楽しくできるようになった。
・社会的に男性として生きられると思った時にはじめて「性役割」を演じている、という気持ちの悪い感覚がなくなり、「好きなもの、好きなこと」を堂々と「好き」と言えるんだな、と感じている。
・品のない言葉、乱暴な言葉を使うことについては、特に女性が禁止されがちだが、そういった言葉を使うことは、男性も、女性も、好ましくないと思う。
・ある漁師町で、女性が自分のことを「おら」、相手のことを「おめぇ」などと呼ぶ地域がある。女性も男性も同じ力仕事をするコミュニティのなかでは、「男らしく」「女らしく」といった「性別」に関する躾がない、という話は聞いたことがある。
・よく、仕事で「女性の目線を活かして」などと言われることもある。 ただ「女性の目線」とはどんな感じだろう?と考え、予想しながら仕事をしても、あまりうまくいったことがない。多数派の人が考えた少数派の「目線」は、小手先のツールにはなり得るかもしれないが、本質的にはうまくいかないのではないかと感じている。
・性役割から解放されたとしても、身体の性別の違和感がなくなるとは思えない。
・心と身体の性別が一致している人(シスジェンダーの人)の感覚について尋ねてみると、「普段、自分の性別を意識することがない」らしい。身体の性別に合わせた服装(女性であれば、女性の服装、男性であれば、男性の服装)を着ることについても、抵抗感や、「頑張って服を着る感覚」がないと知り、とても驚いた。みんな、我慢して男性もしくは女性としてふるまっていると思っていた。
【男女分け】
・病院のカルテ、部屋、風呂などが身体の性別で2つに分けられていて、身体の違和感があるためにとてもつらかった。せめて、個室のシャワーを使わせてほしいと思った。
・病院の診察券などの公的な書類で、自分が生まれた時に割り当てられた性別を見なければならない時には「うっ」となってしまうが、何とか心のなかで折り合いをつけて過ごしている。 この他、身体の性別とは無関係なアンケートの性別欄などは、無記入で出したり、「男」に○をつけたり、「女」に○を付けたりと、自分の心が楽でいられるようにどうにか工夫している。
【家族や、まわりの人との関係の築き方】
・「女なんだから足を開くんじゃない!」「もっとていねいなしぐさをしなさい」とお母さんから言われていた時期は、我慢するのが一番つらかった。でもお母さんにカミングアウトしてからは、少しずつ勉強してくれて、受け入れようとしてくれている。その変化がとても嬉しい。お父さんや兄弟は性的マイノリティを受け入れない雰囲気があるので、絶対に言えない。
・男っぽい言葉遣いや声の出し方、服装などをしていると、家族にからかわれてしまっていた。家族や親せきとの付き合い方はむずかしい部分もあるけれど、自分らしいメンズの格好をできるようになってから、女性とも男性とも、境界線を引かずにここちよくコミュニケーションをとれるようになってきていることがとても嬉しい。
【服装・ジェンダー表現】
・小学校の時から、女の子の服を着ることには抵抗があった。その後、自分は女の子じゃないということを親に伝えたら多様な性のあり方について勉強してくれた。
・シスジェンダーの友人が女性らしい服を着てハイヒールを履いているのを見て、「辛そうだな」と思っていたけれど、自分が中性的な格好をするのを見て、その友達から「そんなに無理して辛くないの?」と聞かれたことがある。自分は、中性的な格好をしていることが自分らしいと感じる。人の感じ方はそれぞれに違うのだな、と思うと、興味深かった。
さまざまな感じ方や意見があり、とても温かい空気が流れる交流会となりました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
「性・ジェンダー・セクシュアリティを対話する交流会」(第16回)、次回は3月22日(木)の11時~13時に、中野区会議室で開催予定です。
Xジェンダー・トランスジェンダー当事者の方をはじめ、ご理解・ご関心のある方でしたらどなたでもおいでください。
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【性・ジェンダー・セクシュアリティを対話する交流会: 第16回】
・日時: 2018年3月22日(木)11:00〜13:00
・場所: 都内会議室(東京都中野区) 参加申込みをいただいた方にのみ、直接お知らせさせて頂いております。
・参加対象:Xジェンダー・トランスジェンダー当事者の方をはじめ、ご理解・ご関心のある方であればどなたでも。SOGIは問いません。
・参加費: 500円(会場費、茶菓子代など含む)*高校生以下は無料
・詳細・申し込み: lag.dialog@gmail.com までメールをお送りください。
・ご参加にあたって:
(1)「1人ひとり、価値観や感じ方は違うこと」を前提に、お互いの話を否定したり、ジャッジしたり、決めつけたりしない。※論駁(ろんばく)はお控えください。
(2)セクシュアリティを含め、その場で話したくないことは無理に話さなくてOK。
(3)交流会で聞いた個人情報を、本人の許可なく第三者に話さない。
を、念のための参加ルールとさせて頂いております。
主催:lag(ラグ)
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